足摺岬に上ったのは四万十川のある中村市、東から上がっていったが降りは西側の宿毛市に降りていった。このコースは今日の目的地である西予市には近くなるからである。
どうも観光バスはこの道から上がってきたようだ。途中10m先が見えない霧も出たが問題なく降りていくことが出来た。
松屋旅館
山を降り切ったあたりから可也長い間海沿いを走り再び56号線に入った。目的地の西予市に入る手前で可也渋滞に巻き込まれノロノロ運転が続いた。松屋旅館を探すのに少し迷ったが着いたのは18時45分だった。
この旅館は先日国民宿舎土佐でガイドブックを見て予約したのだが、着いたのが遅かったため夕食は外ですることになった。店の女将さんから美味しいお店を数軒紹介してもらい下駄ばきで行ける近くの寿司屋に行く事になった。
お店に入ると定連らしき3人のお客さんが酒を飲んでワイワイ喋っていた。女性一人に男性二人である。私は亭主に「今日のおすすめのネタは何ですか」と聞いた「イカかサヨリかな」と亭主が言った。
陳列には大阪の寿司屋と違って新鮮な石鯛・鯛・カワハギ・ハマチ等大きな魚が丸腰いくつも並んでいる。まるで魚屋さんのような数に驚いた。
ビールを飲みながらご主人と今回四国一周の話しをしていると
カウンターで飲んでいた3人のお客さんがその話題に入ってきた。それから話しが盛り上がり2時間近く酒を飲み交わし部屋に戻ったのが10時を回っていた。旅館は既に照明が消え真っ暗け。部屋に入るのに手探り状態でそれから大浴場に行き部屋に戻ったのが11時回っていた。
今日のツーリングはこの3日間で最高に疲れた一日だった。
3日目終わり
くじらと会える町、佐喜浜港から海沿いを15Kほど走ると四万十川に差し掛かった。本来ならば緑の中を流れる四万十川の遊覧船に乗りたかったが、昨日は265kも走ったので今日あたりは56号線を一挙に走り愛媛県入りしたかった。そんなことを考えながら四万十川を通過して5kほど走ったところでやはり四国まで来たら最南端の足摺岬に行かなくては後で後悔するのでは、そのとき時計を見ると12時を少し回っていた。そこで近くのお店に入り足摺岬に行くにはどのくらい時間がかかるか聞くと1時間は十分かかるらしい。足摺岬は国道56号線から外れ321号線をドンドン南下し尚且つ灯台の見える突端まで行こうとすれば途中から地方道を南下しなければならない。そうなると往復3時間は見ておかないとこの位置まで戻って来れない。可也思案したが行く事に決定。
苦難の走行
5kほどバックして四万十川まで戻り321号線に入った。左側には四万十川が見える。本当に美しい川だ。その側道を可也なスピードで南下していった。車は殆ど走っていない。対向車もなかったような気がする。途中でガソリンえを給油をする為にスタンドに入った。再度足摺岬までの時間を聞く。やはりこの場所からでも1時間は掛かるという。スタンド前の道路標示版に足摺岬距45kと標示されていた。時計を見ると12時45分だ。スタンドを出た後もスピードを落とさずドンドン南下していった。途中で食事をする場所が数箇所あったが全てパスした。食堂には団体の巡礼さんが沢山いた。
いよいよ321号線から地方道に入った。ここからは登り坂になっている。この間途中で引き返そうかと何度か思いながら走った。
山の中腹から雨がパラパラ降ってきた。又雨か・・・と思いながら山道を上がって行った。S字を描く登り坂だ。頂上近くになってきた時雨足が可也強くなってきた。合羽を着るのに時間がかかる。そこから行けども行けども灯台は見えてこない。ナビを見ても余り進んでいない。やはり登りのS字は思ったほど距離は伸びない。ドンドン進むとしまいに道が急に狭くなってきた。軽四輪車一台通れるかどうかくらいだ。こんな山の中にも民家が数軒った。その民家の横を潜り抜けるように走った。雨はドシャ降りの最悪状態になってきた。
この間引き返そうかと何度も思った。民家を越えるとジャングルのような細い道が続く。ああ最悪。これまでの走行で最悪だ!
やっと足摺岬まで数キロと書かれた表示板が出てきた。この時の気持ちは言い表せない。その当たりから雨が小降りになりしばらく走ると雨がやんだ。細い道を抜けきった時、前方がパッと広がった。なんと長いトンネルを抜けきって別世界にでも来た様な光景が目の前に広がった。
なんと頂上まで来ると観光バスや土産売り場、食堂が軒を並べて並んでいるではないか。到着したのは13時45分だった。
店先の広い駐車場にバイクを止めると店の店員が客引きをしている。雨に打たれていることもあり店を選ぶことなくその店に入ることにした。1階は土産物を売っていた。2階に上がると食堂になっていた。店の人が「この場所から灯台が見えますよ」と言って窓際の席を取ってくれた。メニューを見ると鯨とか鰹のタタキがお進めのようだ。先日鯨のタタキを食べたので今回は鰹のタタキを食べることにした。さすがに新鮮で美味しかった。食後コーヒーを飲んで店先に出た。観光バスが止まっているあたりをポケットカメラを持って散策する。巡礼さんが沢山いた。足摺岬にある四国最南端の霊場は金剛福寺(四国霊場第38番札所)である。私はこの札所番号がどんな順位で付けられたのか分からないが足摺岬は88番でも良いのではないかと思ったほど苦難の走行になった。